コンパスの練習・フラメンコギター奏法の基礎

フラメンコギターに限らず、すべての音楽にとってリズムは重要な要素です。楽器を演奏したり歌をうたうことは、リズムと言うレールの上を走る列車のようなものなのです。(カラオケだって例外ではありません。)
フラメンコでは、リズムをスペイン語で「コンパス」と呼んでいます。コンパスはフラメンコの命ですから、これを習得しないとフラメンコギターにならないのです。ですから、フラメンコギターの練習を始めた人はギターと平行してコンパスの練習を続けなければならないわけです。


コンパスは頭ではなく体で覚える。

コンパスを言葉で説明することは、大変難しいことです。リズムのすべてを言葉で説明することは不可能だと思います。言葉や音符での説明は色々行われていますが、いくら理屈を覚えてもコンパスを身につけることは出来ないでしょう。コンパスは頭で覚えるのではなく体に浸み込ませるものなのですから。
フラメンコギターを始めたい人は、まずCDを繰り返す聞いてください。ソレア、アレグリア、ブレリア、タンゴ、ルンバなどを手や足でリズムを取りながら聞いてください。初めはなかなか合わないと思いますが、繰り返し聞くうちに分かってきます。そしてフラメンコに捕まるでしょう。

裏打ち

日本人がリズムを取ると大抵「タン・タン・タン」とやります。手拍子だとか、手で机を叩いたりしてリズムをとると、このパターンですが、これではフラメンコになりません。フラメンコでは「ンタ・ンタ・ンタ」とやるのです。2連符の後の方を叩くという説明もあります。フラメンコギターを聞きながら、体を動かして裏打ちを練習してください。

ギターを弾きながら体でリズムを取ることはフラメンコギターのテクニックのひとつです。よく行われている方法は踵(かかと)を支点にして足先を上げ下げする方法です。必ず「上げる・下げる」です。下げるときに床を軽く叩きます。「上げる下げる」で一拍です。

オフビート

通常、二拍子は「強・弱、強・弱」という具合に一拍目にアクセントがあります。又、三拍子も「強・弱・弱」で一拍目にアクセントがあります。フラメンコのコンパスでは二拍子は「弱・強、弱・強」となり三拍子も「弱・弱・強」です。
1・、1・と、1・2・、1・2・を繰り返して下さい。これはコンパス練習の基本です。 、

二拍子はルンバ、ファルーカ、タンゴが参考になるでしょう。サビーカスのファルーカ(プンタ イ タコン、エル・アルバイシン等)、パコ・デ・ルシアのタンゴ(ソロ・キエロ・カミナール)等を聞いてください。
三拍子はパコ・デ・ルシアのアルバム「二筋の川」に収録されている「ファンダンゴ・デ・ウェルバ」がわかり易いでしょう。

コンパス

フラメンコの代表的なコンパスは上記の三拍子と二拍子を「3,3,2,2,2」と繋げた12拍です。ソレア、アレグリア、ブレリアなどニーニョ・リカルド、サビーカスなど古い世代のギタリストからパコ・デ・ルシア、ビセンテ・アミーゴ、トマティートにいたるまでアルバムの中心にこの形式をおいています。

5拍子系コンパス

近年、あまり演奏されない(アルバムに収録されない)のが、シギリージャ、セラーナ、グアヒーラ、ペテネラス等、5拍子系のコンパスです。5拍子と言っても単純に1.2.3.4.5ではなく3と4を伸ばして、イチ・ニイ・サ~ン・ヨ~ン・ゴオとやる5拍子です。4分の3拍子と8分の6拍子が交互に出てくるクロスリズム(変拍子)という見方も出来ます。楽譜は大抵そうなっています。

2拍子のコンパス

2拍子のコンパス、タンゴとルンバが盛んに演奏されるようになったのは、パコ・デ・ルシアが活躍し始めた70年代以降ではないかと思う。単純なリズムでわかり易い、乗り易い。難しいテクニックを駆使した演奏ではない曲が多いからでしょう。最初にアクセントがあるので乗り易いのかも知れない。

フラメンコは楽しい、気持ちいい

フラメンコのリズム(コンパス)は楽しい、気持良い。色々なジャンルの音楽がありますが、それぞれに楽しい、気持ちよいリズムを持っています。フラメンコにはフラメンコのリズムがあります。フラメンコが好きな人は、このコンパスが好きな人である筈です。

こんな説明を読んでも分からないだろう。そう思いながら書きました。フラメンコのコンパスは言葉で説明出来ないと思う。とにかく,フラメンコギター、カンテのCD・MP3を聞いてください。繰り返し聞くことがコンパス練習の基本です。