ギタリストの爪


フラメンコギターやクラシックギターは、少し伸ばした爪で弾くのだが、誰もが、丈夫な爪を持っているわけではない。セコやラスゲアードを繰り返すと、薄くて柔らかい爪はすぐに「割れる」「削れる」のである。また柔らかい爪では、フラメンコの鋭い音は出せない、音が小さい、という理由で多くの人は補強が必要となります。

爪の長さと形

爪と指頭の固さや形状は人によって千差万別である。有名なギタリストの爪の長さは参考にならない。だから爪については各自、自分で決めなさいと言うしかないが、基本的なことを言えば次の通り。

①爪は毎日伸びるので、長過ぎることに気がつきにくい。従って、爪のチェックは出来れば毎日、最低でも三日に一回はやらなければならない。

②爪は”ツルツル”、”ピカピカ”にしておく。弦にあたる部分だけではなく、爪の先端、つまり物によく触れる部分は”引っ掛かり”を無くしておく、”千畳の堤も蟻の一穴から”というように、かすかな傷が「割れる」「裂ける」原因になるからである。

③爪の長さは横から見るか、内側から見て判断する。後述する爪の補強を行なうと表側を見ただけでは錯覚する可能性がある。長過ぎる爪は、早く弾けなかったり、指に過大な負担がかかって腱鞘炎の原因になることがあるのでよく注意して下さい。爪は短いほうが良い、日常的にギリギリの長さにすることを心がけないと長過ぎる爪で無理な練習をすることになるからです。

爪の先端は直線

爪の先端は、指頭にあわせて、「ゆるやかな弧を描くように」削るのが、クラシックギターなど指弾きの常識で、私もそのように教えられたので親指以外の四指は弧を描くように爪を削っていましたが、あるフラメンコギタリストにフラメンコの爪は「真っ直ぐ」に削って弾くのだと教えられたことがあり、後日雑誌に掲載されたパコ・デ・ルシアの手の写真とポスターに写された指先を見ると弧ではなく直線であることがわかった。(両サイドは削っている。)おそらく他のフラメンコギタリストもパコと同様であろう。フラメンコギターの強い音は「弧」の爪では無理ではないだろうか、又音量も違ってくる。爪が弦をしっかり捕まえることが出来るからでしょう 。両方やってみて、音量、音質や弾きやすさを考慮して判断すればよいでしょう。爪の性質や形は人によって違いますから、色々やって自分に合った削り方を見つけるのが最善の方法でしょう。

爪の補強Ⅰ

爪の性質は人によって千差万別であるから、こうすれば良いというひとつの方法があるわけではないが、よく行われているのは瞬間接着剤を塗る方法である。瞬間接着剤の代表は「アロンアルファ」だが、同一成分の製品が”100円ショップ”で売られている。(低粘度が良い、紙によく浸透するので。)塗り方には①接着剤だけを重ね塗りする②接着剤で紙を貼り付ける、という二つの方法がある。また爪全面に塗るか、先端だけにするか、紙は何が良いかという問題がある。
一例を紹介すると、爪の先端から3~5ミリ、巾は両端を除くので70%位の所に”ティッシュペーパー”を貼るのである。

補強方法

用意するもの、つま楊枝、ハサミかカッターナイフ、適当なサイズに切ったティッシュ、瞬間接着剤、サンドペーパーまたは爪やすり(細かい目でなければならない)
①手をキレイに洗う、特に爪はしっかり洗う。
②サンドペーパーまたは爪やすりで、貼り付ける部分を軽く擦る。
③接着剤を爪に塗る。つま楊枝で広げるのである。
④紙を貼り付け、つま楊枝で押し付ける。③④は素早くやる。
⑤接着剤を紙の上から塗る。必要に応じ重ね塗りをする。塗った部分は均等な厚さで凹凸が生じないよう気を付ける。
⑥乾いてから、爪やすりで表面を軽く削り、ツルツルに仕上げる。

爪の補強Ⅱ

セロテープを貼るのも単に爪を守るというだけなら、有効な方法である。爪全面に貼るのではなく、先端から5~6mm、巾も同じ位で良い。清潔な状態の爪に小さく切ったセロテープを貼り、よく押さえて、しっかり圧着する。これで「割れる」、「削れる」はなんとか防止出来る。ラスゲアードの練習を始めたばかりの初心者には良い方法ではないでしょうか。

トップコートによる補強

100円ショップのダイソーで見つけた「メンズトップコートFIBER TOP COAT」は、ギタリストや野球選手の爪を補強する製品で、マニキュアの一種と言って良いだろう。マニキュアは材質が柔らかくて爪の補強には向かないと言われていたが、ビセンテ・アミーゴはマニキュアを使用しているそうだ。爪の質によっては可能なのだろう。この製品を使う場合、気をつけなければならないことは、ブラシで厚く塗ってはいけない、つま楊枝で薄くのばし完全に乾くのを待ってから、上塗りを行なう。これを何度か繰り返して適当な厚さに仕上げる。

「メンズトップコートFIBER TOP COAT」を店頭で見つけることが、出来なくなってしまったので通常のトップコート使用してみたところ効果に違いは無いという結論になりました。この場合も瞬間接着剤による補強と同じく、ティシュペーパーを使うと効果的です。

爪の病気

爪と爪の下の爪床の間に菌が侵入して炎症を起こし、爪が、はがれてしまう病気で爪囲炎というらしい。病院で診察を受けたところ。医師は、患部をピンセットの先で削り、顕微鏡で見て爪囲炎と診断、貰った薬は「抗真菌剤」、すなわち水虫の薬。治療効果はすぐ現れ、爪が伸びる速度で快方に向かった。その後、2,3度罹患したが、市販の水虫薬(液体)で治療した。尚、薬を塗るだけではなくサランラップで指先を包み、水と空気を遮断し、患部を薬漬けにしておくと非常に効果的であった。

前記の治療方法は、あくまでもひとつの事例であって、誰にでも適用できるかどうか、疑問です。病気のことは医師の診断を受ける必要があります。皮膚科の専門医を探してください。

爪は清潔に

爪を伸ばしていると垢がたまりやすい。垢には細菌がいるのだから、前記の病気に罹ることもある。見た目にも汚いので、ブラシで洗うことをここがけ手欲しい。私は古くなった歯ブラシを使用している。