フラメンコギターの楽譜・タブの問題点

フラメンコギターの奏法や形式についての正しい知識を持たない人が「楽譜・タブ」を頼りに練習してもフラメンコにはならないでしょう。確かな人物の手ほどきを受けることをお勧めします。


フラメンコギターの情報

フラメンコギターの情報で最も求められているのは、楽譜・タブと弾き方(フラメンコ奏法)だろうと思う。しかし、フラメンコの基礎知識を持たずに、他のジャンルの経験だけで楽譜・タブを見て練習するとフラメンコとは言い難い, 独りよがりの演奏になったり、CDなどで聞くフラメンコのような音が出せなかったりということになる。そして投げ出してしまうのである。フラメンコに我流はない。パコ・デ・ルシア奏法もない。あるのは「フラメンコギター奏法」だけである。すべてアンダルシアのギタリストがやっているように弾かなければならない。

フラメンコギターの楽譜はフラメンコの外で作られたものです。

「フラメンコギターの楽譜なんてありません。」アンダルシアのギタリストたちは楽譜を知らずにギターを学び、幾世代にもわたって奏法やファルセータを継承してきたのです。フラメンコギターの楽譜なんてないのです。フラメンコギターの楽譜はフラメンコの外で作られたものです。

楽譜・タブは左手のメモでしかない

”フラメンコギターの楽譜”と称する物があり、販売されている事も知っていますし、私の手元にも数十曲の”楽譜”があります。(主にレコードコピー譜です。)これらのフラメンコギターの楽譜は、”左手のメモ”でしかないのです。クラシックギターとは違い、楽譜から得られる情報だけでは正確な演奏は不可能です。

フラメンコの形式

フラメンコギターは弾きたい曲の形式をよく知らないとフラメンコにならないのです。例えば「ソレア」を弾くのなら、ソレアのコンパス(リズム)とテンポを知る必要があります。その為にはCDなどでフラメンコギターの演奏を聞き込み、各形式の特徴をつかむことが大事です。尚、形式についてはフラメンコ関係の出版物を参考にしてください。

ソレアは3拍子?

ソレア、アレグリア、ブレリアは12拍のコンパス(リズム)で前半6拍は3拍子で後半6拍は2拍子だが、楽譜は大抵3拍子で書かれている。1,2,3/1,2,3/1,2,1/2,1,2と区切られているのだから錯覚してしまう。こんな楽譜を持っている人は、よく気をつける必要があります。12拍で一小節に書き直すか、3拍・3拍・2拍・2拍・2拍に小節を割ると良いのではと思う。

パコ・デ・ルシアのラ・バローサ(アレグリアス)の楽譜を見つけたが、なんと4拍子で書かれている。

楽譜は左手のメモに過ぎないので、楽譜がどうであれ、ソレアはソレアのコンパスで、ルンバはルンバのコンパスで、タンゴはタンゴのコンパスで、そしてファルーカはファルーカのコンパスで演奏しなければならないという当たり前のことを敢えて書いておきます。

右手の奏法

フラメンコギターの楽譜には、右手の奏法についてはほとんど記載がないので右手の奏法を耳で判断出来なければ演奏は不可能です。音符を見ただけである程度まで推定できますが、注意深く何度も繰り返し聞いて判断するしかないのです。ただ、近年YOUTUBE等でフラメンコギターの動画を容易に見ることが出来るようになりましたので、目で確認出来ます。但し、スペインの有名なギタリストの動画に限ります。デタラメな動画が多い事と初心者には本物と偽物を見分けることは難しいと思うので”パコ・デ・ルシア”、トマティート、サビーカスなど一流ギタリストに限定するほうが本物のフラメンコを習得する確実な方法ではないでしょうか。

楽譜を見ながら演奏しないで下さい。

フラメンコギターはクラシックギターとは違います。楽譜を見ながら演奏するのではなく、楽譜から目を離し左手を見ながら演奏する癖をつけてください。曲を短いフレーズに区切って弾くのです。楽譜を見ながら弾き流すと、いつまでも暗譜出来ないので上達もある程度までですし、人前で弾く事は出来ないのです。

クラシックギターとフラメンコギター

楽譜・タブを見るとクラシックギターとフラメンコギターの音階、アルペジオはまったく同じ、トレモロは音がひとつ多いという違いしかないのですが、実際の音、弾き方には大きな違いがあります。楽譜を見るとあまり変わらない、殆ど同じなのでクラシックギタリストが勘違いをするのかもしれない。楽譜の弊害は色々あるようです。