ラスゲアード奏法とセコ

ラスゲアード奏法はフラメンコギター独特の奏法ではない。バロック時代のギター演奏にも登場する古くからある奏法です。また、ラスゲアードをやるのがフラメンコギターと言うわけでもないのです。しかし、フラメンコギターを演奏するには必須のテクニックですから、しっかり練習してください。各種のラスゲアード奏法を習得せずにフラメンコギターを演奏することは不可能です。又、指二本を上下させてコードを弾く”セコ”はラスゲアードと連続して使われることが多い奏法です。ラスゲアードの弾き方を知るには、まずパコ・デ・ルシアの動画を見てください。そして時々、動画を止めて五本の指がどうなっているかを確かめてください。

ラスゲアード(1)rasgueado

指4本によるラスゲアード

ラスゲアードの本来の意味は、爪の表側での弾弦のことである。先端から2ミリくらいの部分で弾くのである。ザラザラとこすってはいけない。指の動きは弦に対して直角である。

フラメンコギターのラスゲアードは、親指を伸ばし、6弦の上に置き、他の四指を曲げて、小指から連続的に(一本づつ)、薬指、中指、人差指で弦を弾く奏法を言う。手を動かさず、指だけの動きで弾くのである。又、四指を曲げた時、爪の先端が掌に軽く引っ掛けた状態からスタートすると強く弾ける。これは基本で色々なバリエーションがある。ラスゲオとも言う。

(注意点1)小指が弾き終わらない内に薬指がスタートし、2,3本の指が同時に弦を弾き音を出しているという間違いは誰でもすることです。パン、パン、パン、パンという四連音でジャラジャラとやるのではありません。

(注意点2)四指を曲げて、さあスタートと言う時、爪の先は横一線に並んでいることが必要です。何故なら、弦は直線だからです。小指は薬指より短いので小指で弾いた後に薬指で引くと深く掛かってしまう。中指も同じである。どの指も爪の先から2ミリくらいで弾かなければならないので爪の先端は短距離走のスタートのように横一線に並んでいることが必要となる。ゴルペ板や机、手帳など平らな面に爪の先を当てて動かして感覚をつかむと良いでしょう。小指が特に短い人はこの点をよくチェックしてください。コードを押さえた状態で、5~6フレットあたりでラスゲアードやセコを繰り返しても、爪が指板やフレットに当たらないのが正しい演奏です。

(注意点3)どの指も弦に対し、直角に動かすことが基本です。弦と指は、上から見た時”T”を逆さまにした形になっているかチェックしてください。

(注意点4)親指を6弦の上に置き、さあラスゲアードのスタートという時、指の付け根(拳骨)が低くなっていないか、確認して下さい。アルペジオやピカードのままではザラザラと擦るようになってしまいます。拳骨の位置は6弦のあたりです。手首を少し曲げると拳骨が上がります。

ここに書いていることは全て基礎であり、全部ではありません。ラスゲアードには、色々な指の組み合わせがありますが、基礎をしっかり固めなくては、技術の向上はないのです。

指四本のラスゲアードでは、練習としては、5~1弦までの弾弦が必要かもしれないが、実際の演奏では、5~3、5~2です。CDをよく聞いて、自分で音を出してみればわかります。

ラスゲアード奏法(2)

親指のラスゲアードは、コンサートスタイルのフラメンコギターでは4指のラスゲアードに比べると使用頻度が低い奏法です。しかし、皆無ではないので習得する必要があります。弾き方は、親指の奏法の逆の動き、即ち、親指を下から上にハネ上げるように弾きます。ラスゲアードとは爪の表面での弾弦のことです。爪の先端を使いますので、深く掛からないようにして下さい。

親指のラスゲアードの問題点は”カッコイイ”ことです。手の動きが大きく、フラメンコギター奏法の中で唯一、手首を動かします。見ている人にとっては、フラメンコギターらしく見えるらしい。(あくまでも素人の目には)そこで、この奏法を長くやって誤魔化す演奏をする人がいます。私は、そんな演奏に出会った事が一度ならずあります。

マノロ・サンルーカルのラスゲアード

コンサートで見たマノロ・サンルーカルのラスゲアードには驚いた。同時に自分の誤りに気がついた。マノロ・サンルーカルは拳を握った状態から四本の指をまっすぐ伸ばして弦を弾いていた。手は動かさない。指は四本ともまったく同じ動きであった。しかも音は等間隔。私の小指と人差し指は中指薬指に比べてかなり短いので手を横方向に動かして小指を右に人差し指を左に傾けた引き方をしていたのです。しっかり音を出すには弦に対し、四本とも直角に弾かなければならないのです。

クラシックギターのラスゲアード

アランフェス協奏曲を弾くクラシックギタリストの右手を見れば, フラメンコギターのラスゲアードとは別物だとわかる。似て非なるとは、このことか。

コード(和音)の弾き方(2)セコ

①指2本(人差し指と中指、又は中指と薬指)でコードを弾く。②指一本(主に人差し指)で弾く。最も基本的なパターンは、「E」又は「A」を押さえ、右手親指を6弦に乗せたまま5、4、3、2弦をパンとやる↑。これを何度か弾いた後、1,2,3,4弦を同様に弾く↓。実際の演奏では↑↓、↑↓、↑↓となる。楽譜では↑↓とも同じ弦を↑↓するように書かれているケースが多い(6弦の音まで書かれていることもある。)尚、音の長さは↑>↓である。楽譜では2連符になっているので0.5・0.5の一拍と勘違いし易いので注意してください。CDやレコードの音を聞けば明らかだけれど。

掻き鳴らす

ラスゲアードを”掻き鳴らす”と言う人がいる。そんな説明をしても”何のこと”だか、どうやるのかわからない。誰にもわからない。貴方はかゆい所を掻くのに「曲げた指を伸ばす」ことで掻きますか、ラスゲアードのように。
誰が言い出したのか知りませんが、フラメンコギター関連には、本当に”トンチンカン”な記述が多いのです。

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