禁じられた遊び(ギターの弾き方)

村治佳織の演奏。


映画「禁じられた遊び」の音楽を担当したナルシソ・イエペスが演奏して大ヒット、今ではクラシックギターの定番になっている「ロマンセ・デ・アモール」愛のロマンスを弾いてみましょう。練習方法、弾き方を考えています。言うまでも無く、クラシックギターの基礎を習得している人が対象です。アコギ・エレキの経験だけでは無理でしょう。

「禁じられた遊び」は正式には、この曲のタイトルではないのですが、一般に映画「禁じられた遊び」のテーマとして知られていますので、当サイトでも「禁じられた遊び」にして置きましょう。スペイン語でRomance de Amor 英語でRomance of Loveと表記することもあります。

Romance de Amorは「ロマンセ・デ・アモール」なんですが、英語とスペイン語が混ざって「ロマンス・デ・アモール」と言う人がいます。日本語で禁じられた遊びが無難でしょう。

「romance」という単語は、辞書によると”抒情風叙事詩”ということです。

この曲は難しい曲ではないのです。しかし、クラシックギターの基本をしっかり学んでいない人がいくら練習しても進歩しないでしょう。行き詰まったら基本に戻って点検することです。それが上達の早道です。

クラシックギターとアコギやエレキは別の楽器だと思ってください。同じギターという名称ですが、左指の押弦、右指の弾弦は基本が違っています。

この曲は右指の動きが、pa-m-i a-m-i a-m-iの繰り返しです。楽譜では3連譜が並んでいます。シンプルな曲だと言ってよいでしょう。尚、楽譜ではPAは同時に弾くことになっていますが、こういうケースでは”a”は少しずらして弾くのがクラシックギターの常識です。有名なギタリストの演奏をじっくり聴いてください。

音楽には必ずリズムがあるのですが、クラシックというジャンルではあまり重視されないようです。この曲は三拍子ですから、1・2・3・1・2・3・1・2・3という具合にリズムを取りながら練習してください。リズムを取りながら音楽を聴くこともギターの練習です。

♪ アポヤンドとアルアイレ

ナルシソ・イエペスが映画・禁じられた遊びの音楽を担当したのは半世紀以上も前のことです。あの時代のクラシックギターはメロディーはアポヤンドで弾くのが常識でした。アポヤンド奏法は、一弦を弾いた指を二弦に当てて止める弾き方です。音が力強く明確になるのが特徴です。今ではアポヤンドはあまり用いられず、ほとんどアルアイレで弾かれていると言うことですが、村治佳織の「禁じられた遊び」を聞くとメロディーはアポヤンドに聞こえます。アルアイレで強く弾いてもアポヤンドの音にはならないので間違いないでしょう。


♪ メロディーを弾いて見ましょう

この曲のメロディーは、ほとんど一弦で弾かれます。しかも左手は、ほとんど”一方通行”ですから演奏は容易です。又、一弦を右手薬指で弾きますので、初心者によくある薬指が弱いという課題を克服する練習になります。

①ー7-7-7ー7-5-3ー3-2-0ー 0-3-7ー12-12-12-12-10-8-8-7-5-5-7-8-7ー8-7-11-8-7-7-5-3

楽譜を見ましょう

楽譜は勿論、独奏の楽譜です。三連符がズラリと並んでいます。ほとんど三連符です。三連符というのは音が三つで一拍という意味です。一小節に三連符が三つ、三拍子です。このリズムを忘れないでください。YOUTUBEにはリズム無視の動画がよくあります。

最初の音は⑥弦の0、開放弦をP指(親指)で弾きます。音符では、P指と①弦の7を同時に弾くことになっていますが、このケースはP指を先に弾き、ほんの少しずらして①弦を弾きます。これはクラシックギターの常識です。

①弦はA指(薬指)②弦はM指(中指)③はI指(人差し指)④⑤⑥弦はP指(親指)で弾くことがクラシックギターではよくあります。それが基本だと言ってもよいでしょう。この曲はこの基本的パターンの典型です。

左手の移動

この曲は、シ、ラ、ソ、ファ、ミと言う具合に隣の音に移動する事が多いので左手の移動は楽ですが、やや難しい所が二箇所あります。
7フレットから12フレットへの移動は「禁じられた遊び」最大の長距離移動ですが、ハイポジションに慣れていないせいでしょうか、ここで間延びする人が多いようです。アクセントをつけるため故意に遅らせる方法もありますが、遅れているのと遅らせているのは、無論大違いです。何度も繰り返して練習してください。練習は嘘をつかないのです。スムーズに移動できるようにならないと、この曲は勿論、ほかの曲も無理ですから。

左手の移動・セーハの移動

「禁じられた遊び」最大の難所は5フレットから7フレットへ”セーハ”の移動です。YOUTUBEにはアマチュアギタリストが「禁じられた遊び」を弾く動画がありますが、ここでつまずく事例が多いようです。技術が未熟でズレが生じるようでは「禁じられた遊び」を弾けるとは言えないのです。しっかり練習してください。練習とは確実に弾けるスピードで弾き、繰り返すことです。慣れると早く弾けるようになります。練習のコツ?は、①②③弦の5フレットを人差し指を寝かせて抑えている状態(セーハ)から7フレットで全弦を押さえるセーハに移動しますから、人差し指を素早く移動させようとするのですが、それよりも中指で③ー8を押さえに行くと人差し指も付いてくるという感じで練習したほうが効果的だと思います。
1,2,3,1,2,3、というリズムに遅れないよう注意してください。

セーハの問題点

ギターは基礎が大切と言っても具体的なチェックポイントが分からないのでは、どうにもなりないのでセーハに関して次の点をチェックして下さい。
① 親指が寝ていませんか、つまり親指がヘッドのほうを向いていないかということ。
②親指の位置が高すぎるのではないか、親指はネックの中心線のあたりに爪の反対側だけが接触しているの正しい押さえ方です。接触しているのです。押しては駄目です。
③ 親指と人差し指がクリップになっていませんか。親指は中指の反対側と言って良いでしょう。上達したければ正しいフォームを知ることが大切です。
④クラシックギターとアコギ・エレキは押さえ方が全く違うのです。

後半の演奏

後半は転調して、落ち着いた感じになります。技術的には前半より容易ですので、「弾き方」の説明は要らないと思います。ただ、#が四つも付いているので初心者は、やりにくいと思う人もいるでしょう。ひとつ横のフレットを押さえるというだけのことですので少し練習すれば慣れます。

セーハ

前半に比べると後半はセーハが多いので楽に弾けます。と言っても正しいセーハのやり方を知らない人にとっては”左手が疲れて大変”ということになるようです。何事も基本が大事です。うまくなりたければ我流をやめて正しい押さえ方を学んでください。人間の手の構造は皆同じです。ナルシソ・イエペスもジョン・ウィリアムスも貴方も同じ手を持っています。サイズが少し違うだけです。

映画「禁じられた遊び」

「禁じられた遊び」は1952年公開のフランス映画です。(イタリア映画ではないのです。)監督はルネ・クレマン、1950年代、60年代は映画の全盛期でしたが、観客の大半は戦争体験者と言う時代でしたから、戦争をリアルに描く映画が多かったのです。体験者が大勢いるときには嘘はつけなかったからでしょう。ルネ・クレマンは他にも戦争映画を作っています。「鉄路の闘い」「影の軍隊」ではドイツ占領下の苛烈な時代を描いています。尚、この映画が作られた頃、フランスはアルジェリアやインドシナで新しい戦争のさなかにありました。禁じられた遊びと同じ悲劇を繰り返していたわけです。

努力なくして得るものなし

「禁じられた遊び」はクラシックギターを始めた人が最初に目指す曲です。そうでなくても、この曲を弾きこなせるテクニックを習得することを目標にして下さい。毎日の練習なくして上達はないのです。一度習得したテクニックは一生使えます。練習によって得られるものはとてつもなく大きなものです。それにこの曲を弾くと「ギターを弾ける」「なかなかやる」と認めてもらえます。暗譜も容易です。さあ練習です。